はじまりは2年前
日本中が夢中になった
2002年日韓ワールドカップが
幕を閉じたあの夏に
ボクらの戦いは始まった
ボクらの物語は幕を開けた
初キャンプ
ジュビロ相手に0対7
周囲からは不安の声があがり
「谷間の世代」と呼ばれた
田中隼磨は語った
とてもくやしい
アジア大会で見返したい
悔しかった
すごくすごく悔しかった
見返してやりたかった
10月 アジア大会2002
「黄金世代」を上回る飛躍を
「谷間の世代」は見せてくれた
証明してみせた
銀メダルが胸元で輝いていた
いくつものキャンプ、親善試合を経て
入れ代わり立ち代わり
たくさんの仲間たちが奮闘した
仲間でありライバルだった
ひとつの場所を目指して
日本をそこに導くために
2004年3月
オリンピック最後予選
予想以上の苦戦が続いた
UAEラウンド
初戦バーレーンに引き分けたため
2戦目レバノンに大勝したものの
勝っておかなくてはならなかったUAE戦
見ているだけで息がつまるくらい
必死に戦う姿がそこにはあった
大きな思いが
ボク達の足を動かした
ひとつの夢が
ゴールネットを揺らした
指揮官は涙を流さずにはいられなかった
想像を絶する舞台裏が
そこにはあったから
相次ぐ体調不良
戦える状態の選手は
数えるほどしかいなかった
しかし彼らは
それを感じさせない力を発揮した
強くなった
輝いていた
日本ラウンド
初戦バーレーンにまさかの黒星
追いつめられた日本は
レバノンに辛勝し
UAE戦をむかえた
絶対勝たなければならない
ここで夢は終らせない
誰もが目指し続けた
アテネ行きの切符を
つかみ取るために
日本ラウンドから参戦した
2人の戦士
まさかの代表落ちを経験した
エース大久保嘉人と
怪我に苦しんだ
キャプテン阿部勇樹
日本で見ていた
UAEラウンド
復活を誓った
日本ラウンド
熱い思いがあった
見えない努力があったから
若いチカラが共鳴し
鮮やかな勝利
勝ち取った
そして
アテネ行きの切符を
自らが手に入れるための
戦いが始まった
指揮官が頭を悩ませるほど
ひとりひとりが
個性を磨き
武器をつくりあげ
大きな成長を遂げていた
オリンピックまであと1ヶ月
アテネの舞台に挑む
18人のメンバーが選出された
一緒に戦ってきた仲間たち
みんなで行くことはできない
だけど
彼らの夢は終りじゃない
田中達也と闘莉王は
山瀬功治と鈴木啓太のユニフォームを着て
インタビューに答えた
今まで一緒にやってきた
仲間の分までがんばりたい
ボク達の夢は
18人に受け継がれ
アテネで輝くのだから
最後までみんなの戦いだ
これはボク達の戦いだ
8月12日 五輪予選第1戦
日本vsパラグアイ
3-4 敗北
8月15日 五輪予選第2戦
日本vsイタリア
2-3 敗北
僕たちが追い続けた
ひとつの夢は終わった
ボク達はこの場所で
いったい何を
手に入れたのだろう
ずっとずっと追いつづけた
夢への扉は閉ざされた
だけど
気がつけば
ボク達の中には
かけがえのない宝物が
残されていたんだ
8月18日 五輪予選第2戦
日本vsガーナ
1-0 完封勝利
目指すものがあったから
かたい絆ができたよね
大きな夢があったから
ここまで強くなれたよね
最後の輝きは
次の夢への一筋の光
ボク達は
この地で戦ったこと
いつか誇りに思うだろう
ボク達の道のりを
いつか誇りに思うだろう
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